NPOの後方支援って、何をやってるんですか?
市民活動向けイベントにて、プレゼンテーション
2022年7月21日摂津市主催、市民活動団体交流会にて、情報提供を行う機会をいただきました。
熱意は伝わるけど、なんの会社かわからない
よろしくお願いします。実は3月26日くらいにすごく縁起がいい日があったんですね。その日を会社の設立日にしようと思っていたら、ちょうどその日、法務局が休みで翌日になってしまいました。
気持ち的には3月26日からスタートしたんですが、その後はのんびりやっております。クリエイティーボまいどは、何をやっている会社かというのをざっくりお話しします。プレゼンテーションの機会をいただきまして、ありがとうございます。
なにぶん不慣れなもので緊張しております。私はあまり人間のキャパシティーが大きくないので、多分5人くらいが限界だろうと思っています。猫は10匹までいけるんですけど、人間は5人くらいが限界なので、なにぶん不慣れなもので緊張しております。でもうまくいかない時はどうぞお許しくださいませ。で、本日みなさまにパンフレットを、何かガタガタ言うよりも本物・実物を見せた方が早いかなと思って、当社でで作ってるデザインの印刷物をいくつかおもちいたしました。
人権センターニュースっていう小冊子が入ってるんですけど、それの後ろの方に入っているグラフの記事を今回は書いております。デザイン自体は、当社で全部やっております。
会社案内のパンフレットを皆さんに差し上げると、思いがすごく伝わってくるんだけど、何の会社かわからんってすごく言われるんで、今日は気合い入れて資料スライドを作ってまいりましたので、どうぞよろしくお願いします。
NPOの困りごとは「人」と「お金」です。
私たちはNPOが活動を継続できるように後方支援を行う会社です。そのために「ヒト」「カネ」「モノ」「ジョウホウ」を活用します。なぜならば、これは内閣府のNPOに関する調査なんですけれども、NPOが感じている課題として一番多いのが「ヒト」ですね、その下が「カネ」の話です。
この2つが大きく、NPOが課題だなと感じていることとしてあったので、私たちはこれを「モノ」と「ジョウホウ」で解決しようと思いました。
NPOに期待されることの一つに、制度の谷間とか表に出ていない社会課題に対して、市民とか地域がアサーティブに取り組んでいくことかと思うんですけれども、それは多分、活動を行って、すぐに効果が出てくるものではなくて、わりと地道で息の長い道のりになるかと思います。
私たちは一期一会で終わる業者という立場ではなくてですね。「毎度ありがとうございます」と何度でも言えるような長期的な関係で、社会課題に取り組む仲間でありたいと思っています。
私が一番強調したいのは「する側」「される側」ではないということです。
私が精神障害者の立場なので、いつもされる側で、専門家の職員さんが私たちが支援をしてあげるのよっていう。その態度が一番私は気にいらなかったので、もうそれで、何をしたかというと、私は支援を支援して上に立ってやろうと思いました。
マウンティングなんです。
なので、この仕事をする時に大切にしたいのは、私は業者だからとか、私はお客様だからとか、主体とか客体とかいう関係なりたくありません。「お客様だから何もしないわ。丸投げよ」というクライアントと私は仕事をしません。何かそういう対等な関係で、一緒に何か地域とか社会の課題を解決していくような仕事がしたいなと思っています。
当社はですね。いくつもNPOをクライアントに仕事をしております。一番新しい団体は、この兵庫の精神医療人権センターで、任意団体です。NPOとか何かそういう法人格があるなしに関わらずに、ちっちゃい団体から大きい団体までクライアントにしております。おっきいのは北区の認定NPO法人で、印刷の見本として冊子を用意しました法人が一番大きいお客さんですね。どちらも精神医療人権センターという、精神障害の権利擁護とかロビーイングをしている団体です。
私の業務っていうのはお金と人を集める係です。カッコよく言うと「ファンドレイザー」わかりやすく言うと「広報担当」をやっております。今日はどんなふうに、お金と人を集めているのかを大きなくくりでご説明したいと思います。
私がそのおっきい北区の認定NPO法人に関わりだした頃は、一番最初は2013年頃だったんですけれども、実は団体にあまり活動資金がありませんでした。すごく印象に残っている総会で、財務担当理事と事務局長が説明しながら泣いているんですよ。私たちにもう寄付がこれ以上集まらないとこの活動は続けられず、団体はなくなってしまいます。っていうのを涙ながらに理事が語っていたので、私、何かしなければいけないと思って。
では私はお金集めの担当になりますので、よろしくお願いしますと言って関わり始めたのが2013年なんです。多分、これは決算書から出してきた数字なんですけれども、現金は1円もなかったのと、少数がたくさん寄附をしてくださって、何とか団体が継続できているという状態だったんですね。それが2020年にはポンっと1桁違う結果になりました。でも、これは私が一人の功績でやったわけではなくて、もちろん理事とかボランティアとか事務局のチームプレイの賜物であることを先にお断りしておきます。例えば、私にすごい力があったとしても、一人では何もすることができませんので、やはり魅力的な活動と効果的な運営で、皆様の情熱があってのことです。何か誰か一人の熱意とか、才能だけで結果につながったのではないということをちょっとお断りしておきます。
私がどんなのをこの団体でやっているかっていう実物を持ってきました。本当はただのデザイナーなんですよで、最初は寄附を集めるパンフレットの制作っていうところを頼まれて、その後講演会とか集会のチラシを担当しながら、本日まで機関誌とか出版物の編集を行っております。
毎日の業務としましては、SNSの更新やウェブサイトの管理。動画やコンテンツを制作し、発信することによって寄付者や会員、ボランティアの新規募集を行っております。アウトソーシングとか外部委託みたいなそういうイメージじゃなくてですね。何か事務局にふらふらと現れる派遣職員さんに近いような感じで関わっていますので、外部の業者ではなくて、もっとずっと近くで協力している関係です。
コロナになってすごく増えたのは、動画の依頼です。今日もめずらしい機械を持って来てるんですけど…。動画の依頼がすごく増えたんですね、で一つはライブ配信です。これはYOUTUBEで多分まだ見れますで、コロナ禍になってすぐにこのYOUTUBEのライブ配信を行ったんですけど、このくらいの配信だったら、今は団体の内部で全部完結できるのではないでしょうか。
そんな環境が整ってきたというか。ZOOMの集会とか開催されていると思うんですけど、わりとこういう専門的なチームが出ていかなくても簡単にできるかなという感じになってきました。
これはもう少し規模が大きくなって演劇のライブ配信です。これもコロナ禍になってすぐで、もう中止しようかという提案が出ていたところにライブ配信をするから、実行しようよという感じでチームに入れていただきました。で、その後も演劇の企画についていくつかご依頼をいただいています。
身体障害の劇団さんとか色々やったんですけれども、今年の秋には東大阪で2日連続の企画を予定しております。クラウドファンディングによる資金調達を考えてるんですけど、もう実はチラシがオモテ面だけ出来上がっておりまして、いよいよ今日の会議でクラウドファンディングを、じゃぁどんな風にしようかって、この後、みんなでコソコソ話をする予定です。
この資料集もクラクラウドファンディングで作ったんですけれども、これ作るのに230万円を集めました。こんなクラウドファンディングの後方支援みたいなのも行っております。
ボランティアしようと寄付をしようと思い立った時にどのNPOに託すと良いか。やはりそこには信用が必要だと思います。活動しているのかしていないのか。ちょっとわからない団体は、そもそも支援者…お金をくれる人と、ボランティアさんの目に留まることがとても難しいです。
ですので、私たちの業務は活発な活動を外部に向けて、頻繁に情報を発信することになります。
寄附の獲得とボランティアの獲得には、相互関係があります。たくさん寄附をくれる人ほどボランティアにも参加してくれますし、寄付もしないし、ボランティアもしないっていう人もいらっしゃる訳です。
いっぱい参加してくれる人ほどいっぱいお金もくれるという法則のようなものがありますので、ボランティアの募集と寄附の募集を別々に行っているものではないです。
活動資金を集めることと、マンパワーを集めることはセットで考えていますで、NPOの運営を安定させるためには、情報発信が一つのテーマになるという考えです。
共感と信頼を集めるためには説明責任というのが必ず必要なんですけども、信用される団体となることは説明責任が伴います。団体のリソース…会社の力みたいなものですかね。経営資源。団体のリソースが増えることで、お金であったり、人であったりが増加します。活動が活発になりますから、発信できる情報もどんどん増えますし、そのための説明責任も果たさなくてはいけません。
これらのサイクルが回ることによって、NPOの運営は安定していきますが、一つ反省点がはっきりしました。
実は、情報発信しすぎたのか、急激な変化に組織が追いつかないという状態にあります。現在ですね。
最近だったら、北区の放火の事件とかですね。他にも色々あるんですけど、精神疾患が関係する事件報道があると、マスコミからコメントを求められるようになりました。対応できない時は、ジャーナリストを紹介しました。私たちを取材されて、日本ジャーナリスト協会賞を受賞された記者さんです。
私が関わるようになって資金獲得のためももあるんですけど、賞金に応募しています。注目されることが増えるに従って情報発信が課題ではなくて、組織内ガバナンスへと重点課題が移ることになりました。
自分でなんとかしないと、誰も頼れなかったんです
当社の事業のスタートは、公民館の調理室での第1回のごはん会でした。私は12年くらい前に大阪に引っ越してきて、利用できる障害者の施設とか制度がなくて…今はちょこちょこあるんですけれども、すごく困ったんです。そもそも相談できる知り合いとか、この大阪府内に誰もいませんし。
実はですね、市役所の障害福祉課とか何回も行きましたし、社協さんも何回か訪ねているんですね。でもどうしても解決しなかったので、もう自分で何とかしなければ誰も助けてくれんと、そう思って、地域でメンタル疾患の当事者会をやろうと思ったんです。それで、公民館で「みんな集まってご飯を食べようぜ」っていうのをやったんですけれども、地域から誰も来なかったんです。
豊中のお友達は来てくれたんですけどね。その後は別の公民館に移って1年間くらい続けたんですけど、ここでも大きな課題に気が付きました。
私たちの当事者会はネットで発信していたんですが、遠方の方にはわりと届いているみたいで、長崎の五島列島の方が寄付をくれたりとかですね。近いところで交野市の方とか、西成区の方なんかが来てくれるんですけど、同じ地域の方にどうしてもつながらないんです。
情報発信をインターネットでやるというのは、とても手軽で簡単で効果が大きくて、しかもほとんどお金はかからないんですけれども、大きな弱点があって、本当にこの活動が必要な人にはとどかないような気がします。
デジタルディバイドの問題です。情報機器とか、通信機器の利用っていうのには格差があります。あと、情報リテラシーとかですね。通信料とか維持費の負担であったり、立場が弱い方は情報へアクセスしづらいということが起こってきているようです。みんながつながっている訳じゃなさそうです。
私自身もLINEはやっていません。連絡手段がいっぱい増えて、みんなバラバラなアプリを利用してる。しかも夜中の2時3時にどんどん送ってくるのっていうのが嫌で、もうLINEはやめました。
それに郵便でしか連絡がとれない方がいまだに二人いて、どちらも携帯電話すら持っていません。
団体の情報発信をしましょうというとき、ツイッターを開設しましょうとか、インスタグラムをやりましょうって、どうもそうではない気がします。
当社が今とても差し迫った問題だと思っているのは、このデジタルディバイドの取り組みで、多分、これすごく福祉的な視点だと思いますので、いっぱい儲けようぜという営利企業では、あんまり見えていないポイントかなと思います。
私たちは3月に生まれたばかりのベンチャー企業ですので、この地域では新参者です。
私たちの事業は言ってしまえばデザイン会社なんですけれども、チラシのデザインもいいんですけれども、目指すところは社会をデザインする仕事をしたいと思っています。